「お米は太る」は誤解!知っておきたいお米の栄養と健康効果
「お米は太る」とよく言われますが、実は誤解です。どんな食事でも、摂取エネルギーが消費量を超えれば、余ったエネルギーは脂肪として蓄積されます。そのため、お米が直接的に太る原因になるわけではありません。
お米は日本人の食文化にとって重要な存在で、エネルギー源としてだけでなく、体に必要な栄養素を豊富に含んでいます。この記事では、お米の栄養素と健康への影響を見直し、正しい理解を深めていきます。
お米の栄養
お米100gあたりの栄養成分
お米の栄養の約70%以上は炭水化物です。炭水化物が消化されるとブドウ糖に変わり、体にとって重要なエネルギー源となります。炭水化物は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源とする脳や神経系の活動を支えています。日々の生活で仕事や勉強に集中するため、また健康な体を維持するためには欠かせない栄養素です。
また、お米にはたんぱく質も含まれ、筋肉や内臓、血液、皮膚などを作るだけでなく、ホルモンや酵素、抗体として体の機能を維持します。
お米は、エネルギー源となる炭水化物を中心に、体の構成要素となるたんぱく質、その他の栄養素を含んでいます。お米が持つ栄養価は非常に高く、私たちの健康づくりに欠かせない存在です。
「お米は太る」という誤解が広がった背景
以前、糖質制限ダイエットが注目を集めたことで、糖質を多く含むお米が太る原因として取り上げられることが増えました。この影響で「お米は太る」という誤解が広がったと考えられます。
日本の食生活が欧米化し、お米の消費量が減少しているにもかかわらず肥満率は上昇しています。このことから、お米そのものが肥満の原因であるわけではないことがわかります。
実際には、肥満の原因は食生活全体のバランスの崩れにあると考えられますが、この点が十分に認識されず、偏った情報が広まったようです。
お米の糖質|血糖値の上昇が緩やか
糖質の役割
糖質は生きていくために重要な栄養素です。私たちの体は食べ物から摂取した糖質をブドウ糖に変換し、エネルギーとして活用します。ブドウ糖は細胞に取り込まれ、生命の維持や身体活動に使われます。また、血糖値を一定に保つために、糖質摂取後は血糖値を下げる役割を持つインスリンというホルモンが分泌されます。
急激に血糖値が上がると、インスリンが通常より多く分泌され、余ったブドウ糖は体脂肪として蓄積されます。エネルギー源として必須な栄養素である糖質ですが、血糖値の急激な上昇を起こさず摂取することが健康にとって重要なポイントとなります。
他の糖質との違い
お米の炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたもので、この糖質の大部分がでんぷんです。でんぷんはブドウ糖に分解する過程を経て体内に取り入れられるため、砂糖のように体内に吸収されやすく血糖値の急上昇につながりやすい糖質と比べ、消化吸収の速度が緩やかです。
また、お米の炭水化物に含まれる食物繊維は体内で消化吸収されません。食物繊維は、糖、脂質、ナトリウムなどを吸着し、体外に排出する働きがあります。
このように、でんぷんが緩やかに消化されることや、食物繊維が糖質の吸収を遅らせることから、一般的に、お米の糖質には血糖値の急激な上昇を抑える傾向があると言えます。
※ただし、お米の種類、調理法、個人の体質など、様々な要因によってその効果は変わります。
お米のたんぱく質|脂質の少ないたんぱく源
私たちの体は毎日エネルギーを使っています。その中で、基礎代謝量は生命を維持するために必要な最低限のエネルギーであり、消費エネルギーの約60%を占めています。
基礎代謝量は体内で最も多くのエネルギーを消費し、筋肉量に比例します。この筋肉を作り基礎代謝量を上げるためには、肉や魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質が重要です。
白米100gに含まれるたんぱく質は6.1gであり、お米も重要なたんぱく源のひとつと言えます。
肉や魚など、脂質が多い食品から必要量のたんぱく質を摂取すると、脂質が過剰となりカロリー過多になりがちです。ダイエットのためにお米を減らしても、過剰となった脂質を減らすことはできません。お米を適量食べながら、脂質の少ないたんぱく質を摂取するほうが効果的です。
お米の成分が腸内環境を整え免疫力をアップ
腸内環境が健康に与える影響は広く認識されています。便通は不要な物質が腸のぜんどう運動によって押し出されることで起こり、食事内容や食べた量、生活リズムによって変化します。これには食物繊維と水分が重要な役割を果たしています。
お米の成分と腸内環境
お米には腸内環境を整えるために欠かせない食物繊維や水分が含まれています。さらに、お米には「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」が含まれており、これは腸内で消化されにくく、腸内の善玉菌のエサになります。善玉菌が増えることで腸内環境の改善につながります。
腸内には免疫細胞が多く存在しており、腸内の善玉菌が腸内環境を整えることで、免疫力を高めることができるのです。
お米を「よく噛む」効果
お米は粒食であるため、パンや麺類に比べて噛む回数が増えます。食べ物をよく噛んでから飲み込むことは、自律神経の反射により腸のぜんどう運動を促進し、腸内環境の改善に役立ちます。
炭水化物を摂取しないとどうなる?
炭水化物を摂らない分、たんぱく質や脂質を多くとれば問題ないかというと、そうではありません。炭水化物は体内で消化されるとブドウ糖になりますが、特に、脳や筋肉はブドウ糖を主なエネルギー源として利用しています。炭水化物が不足すると、体はエネルギー不足に陥り、疲労感や倦怠感、集中力低下などの症状が現れる可能性があります。
ダイエットのために長期的に炭水化物を摂取しないと、体は、脂肪だけでなくたんぱく質(主に筋肉)を分解してエネルギーを作り出すようになります。これは筋肉量の減少につながり、結果的に基礎代謝が低下することで、逆に体重が増加しやすくなる可能性があるのです。
炭水化物を極端に制限するのではなく、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
お米の適切な摂取量とは?
「日本人の食事摂取基準2020年版」によれば、成人男性で1食あたり約300g、成人女性で約200gのごはんを目安に炭水化物を摂取することが推奨されています。これは、身体活動レベルが「普通」の場合の目安ですので、自分の生活スタイルや運動量に合わせて適切な量を摂ることが大切です。
間食が多い方や甘いものを摂りがちな方は、むしろごはんの量を適切に増やすことで、食べ過ぎを防ぎ、エネルギー摂取のバランスが整います。血糖値を急激に上げる糖類や甘いお菓子に比べて、ごはんは血糖値の上昇が穏やかであり、ゆっくり噛んで食べることで過食を防ぐ効果があります。
日本人の「理想的なエネルギー産生栄養素の割合」は炭水化物50~65%、たんぱく質13~20%(※50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%)、脂質は20~30%とされています。
わかりやすく、炭水化物60%、たんぱく質15%、脂質25%として考えると、「ごはんを6割、主菜と副菜を合わせたおかずを4割」が理想的な食事の目安とすればよいでしょう。
「ごま+ごはん」の最強コンビでお米を美味しく食べよう
毎日のごはんに少しアクセントを加えたいとき、試してほしいのが「ごま+ごはん」の組み合わせ。シンプルでありながら、栄養バランスも良く、味わい深さも増す最強コンビです。
- 香ばしい風味と食感が加わり、お米の美味しさが引き立ちます。
- 鉄やカルシウムなどのミネラル、ビタミンB1、ビタミンB2などのビタミン、食物繊維などが含まれ、お米に不足する栄養素を補います。
参照:ごまの栄養成分|体に良いと言われる理由 - ごまを、そのままふりかけるだけでも美味しくいただけますが、さつまいもやとうもろこし、大豆など、様々な食材と組み合わせることで、より風味豊かなごはんを楽しむことができます。
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1.さつまいもご飯
いりごまとお塩がさつまいもの甘みをひきたてます。 -
2.とうもろこしご飯
甘いとうもろこしのプチプチ感とごまの食感がピッタリ合います。 -
3.黒大豆入り玄米ご飯
栄養価の高い黒大豆と玄米の健康的なごはんに皮むきいりゴマの風味が立ちます。 -
4.ごましょうゆの焼きおにぎり
ちょっと小腹がすいた時、朝食や夜食などに最適です。
「お米は太る」は誤解!知っておきたいお米の栄養と健康効果:まとめ
「お米は太る」という誤解は、食生活の多様化やダイエットブームの中で広まりました。しかし、お米は炭水化物だけでなく、さまざまな栄養素を含み、腸内環境を整えるなど、私たちの健康をサポートする優れた食品です。お米について正しい知識を持ち、適切な量を摂取すれば、ダイエットの味方にもなります。
ごまとの組み合わせや様々なアレンジを楽しみながら、日本の食文化の中心であるお米を上手に取り入れ、バランスの良い健康的な食生活を心掛けましょう。
出典
農林水産省 : お米と健康・食生活(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_majime/content/health.html#chap09)を加工して作成
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