【ごま】小さな粒に秘められた魅力をまとめて解説!
ごまは、私たちの食卓に欠かせない馴染み深い食材です。しかし日常的な存在感ゆえに、その真の価値を見過ごしがち。この小さな種子には、実に奥深く多面的な魅力が秘められています。
ごまについて「便利、美味しい、健康的など、漠然とした印象しかない」という方々に、この記事ではごまの魅力の全てを、ぎゅっとまとめて解説します。
多面的に優れたごまの魅力
「ごま」は、長い歴史を持つ食材です。古くから日本人に親しまれてきましたが、その栄養価の高さが再認識され、健康志向の人々を中心に注目を集めています。ごまの魅力は栄養だけではありません。手軽さ、保存性、汎用性、風味、食材との相性など、様々な面で優れています。
歴史
ごまはアフリカのサバンナ生まれ。紀元前4000年より前からアフリカの大河流域で、栽培されていたと考えられています。紀元前3000年頃には中国でも栽培され、日本には紀元前1200年頃に入ってきたようです。
仏教の伝来時に日本に入ってきたという説がありましたが、縄文時代の遺跡からソバ、ウリ、小豆などと一緒にごまが発見されており、この時期に日本で栽培されていた可能性が高いとされています。
ただし、ごまの伝来は非常に古いため、正確な経緯を特定することはできません。考古学的な発見や研究によって、今後明らかになることが期待されます。
豊富な栄養成分
その後、6世紀頃の仏教伝来時に、ごまの食用文化がより広く普及したと言われています。
特に精進料理は、元々中国から仏教と共に伝わったもので、日本では禅宗の影響を強く受けて発展しました。ごまには良質なタンパク質や油分が含まれており、肉や魚を食べない精進料理で不足しがちな栄養素を補うのに適した食材だったようです。
今では、ごまには豊富な栄養成分が含まれていることが知られていますが、栄養価の知識がなかった時代から、「ごまは体にいい」ということは認識されていました。中国では、昔から「不老長寿の秘薬」「食べる丸薬(がんやく)」と言われていたことが、歴史的な文献や記録から推察されています。
ごまの栄養成分詳細についてはこちら
ごまの栄養成分|体に良いと言われる理由
多彩な種類
【種皮の色の違い】
食用として市場に流通しているごまは、種子の種皮の色によって、白ごま・黒ごま・金ごまに分類されます。主に搾油用に使われている茶ごまもあります。
【加工方法の違い】
加工法によって、主に5種類に分類されます。
洗いごま | 収穫したごまからゴミを取り除き、洗浄・乾燥させた状態のごま(このままでは食べられないため、必ず火を通す)。 |
皮むきごま | 収穫した生のごまを焙煎する前に外側の皮を剥いたもの。皮をむく方法には、薬品処理と物理的処理があります。 |
いりごま | 洗いごまを焙煎したもの。皮むきタイプのいりごまもあり。 |
すりごま | いりごまを粒が砕けるまで擦ったもの。皮むきタイプのすりごまもあり。すり方やすり加減によって様々な風味が感じられます。 |
ねりごま | いりごまを練ってペースト状にしたもの。 |
豊かな風味と食感
ごまの独特の風味や食感は非常に豊かで、それぞれの種類や加工方法によって異なる特性があります。
【色による風味の違い】
白ごま | 淡白な風味。ナッツのような甘みと香ばしさが特徴的。 |
黒ごま | 白ごまよりも香りが強く、ほのかな苦みがある。鼻にスッと入る焙煎された香り。 |
金ごま | 豊かな香りと強い甘み。すりごまにした場合、3つの中でもっとも香ばしい。 |
【加工方法による食感・風味の違い】
いりごま | 香ばしく、噛んだ時に弾けるようなプチプチした食感。 |
すりごま | 香りが非常に高い。粉状になっているため滑らかな舌触り。 |
ねりごま | 少量でも濃厚な風味が出る。口の中で溶けていくような食感。 |
コクをプラス
コクは、食品や料理の深みや豊かさを指します。コクは単なる味だけでなく、口の中での広がりや後味の持続性も含みます。これにより、味わいがより立体的で奥行きのあるものになります。
どの種類のごまも、加えることで食品や料理にコクをプラスし、味わい体験を豊かにする重要な役割を果たします。
視覚的な魅力
見た目が美しい料理は、味覚にも良い印象を与えます。
ごまには白、黒、金といった様々な色があり、和物やトッピングに使うことで、風味やコクだけでなく見た目の美味しさも演出します。
- 海老ごまマヨ レシピはこちら
白いりごまのトッピングで華やかさをプラス。 - いんげんゴマ和え レシピはこちら
単色の副菜にすりごまを和えるだけで、見た目も味もワンランクアップ。 - さつまいもご飯 レシピはこちら
黒ごまの色と粒状の質感が料理のアクセントに。 - 黒ごまソースのアイス レシピはこちら
抹茶色のアイスクリームと、黒ごまソースのコントラストがおしゃれ。
手軽さと保存性
【手軽さ】
- 調理の手間が少ない
すりごまやペースト状の商品も充実しており、料理にさっと加えるだけ。 - 幅広い料理に使える
揚げ物、炒め物、和え物、煮物、汁物、サラダ、ドレッシング、デザートなど、どんな料理にも合います。 - 携帯性が高い
小分けにして持ち運べるので、外出先でも手軽に摂取することができます。
【保存性】
開封後のごまを冷蔵庫で保存した場合、賞味期限の目安は約3週間〜1ヶ月。
未開封のごまは、常温のまま保存が可能。直射日光や高温多湿を避け、密閉容器に入れて保存すれば、常温で比較的長期間保存することができます。
※種類や加工法など商品により賞味期限が代わります。
ごまの保存方法詳細についてはこちら
ごまを最後までおいしく食べるための保存方法
文化的な意義
日本の食文化は自然の恵みに感謝しながら育まれてきました。その中で、ごまは古くから日本の食文化に欠かせない食材の一つとなっています。
日本人は、一汁三菜を基本とする理想的な食生活を営み、自然の美しさや、四季の移ろいを表現する食文化を育んできました。一汁三菜は、千利休が四百数十年前に確立した茶懐石の献立が基になっています。利休はごまを好んで料理に使用し、現在も「利休焼き」「利休煮」という料理として親しまれています。
参照記事:利休胡麻とは
現在、日本食文化を次世代に伝えるための取り組みが盛んに行われています。
例えば、農林水産省は全国各地で受け継がれてきた地域固有の食文化を保護・発展させるため、郷土料理のデータベースをWebサイトで公開しました。その中でも、ごまを使った郷土料理が数多く紹介されています。ごまは郷土料理の起源と継承においても、重要な役割を果たしてきたのです。
【ごま】小さな粒に秘められた魅力をまとめて解説!:まとめ
この記事を通して、ごまの魅力にあらためて気づかれたのではないでしょうか。
ごまは私たちの食卓に欠かせない存在であり、小さな粒には栄養価に加え、豊かな風味と食感、そして文化的な意義が秘められています。
歴史ある食材でありながら、現代の食文化にも深く根ざしています。これからも、その多面的な魅力を活かし、日本食文化の一翼を担い世界にその価値を広めていくことが期待されます。
参考文献:ゴマの来た道 小林貞作著 岩波新書
出典:農林水産省「うちの郷土料理」(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/)
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