「鮭ときのこのごまグラタン」秋の味覚を楽しむ栄養満点レシピ
2024/11/25
鮭ときのこは秋の代表的な食材。どちらも一年を通して手に入りますが、旬を迎えた時期は、より栄養価が高く味わいが豊かです。
今回は、鮭ときのこの旬の美味しさを最大限に引き出す「鮭ときのこのごまグラタン」をご紹介します。ごまを加えることで、香ばしさと栄養価が一層高まり、より豊かな風味を味わえます。
レシピと共に、鮭ときのこの奥深い魅力をお伝えしていきます。
鮭ときのこのごまグラタン
ごまの風味がホワイトソースに溶け込んだ、ボリューム満点のグラタンです。
【材料(2人分)】
- 鮭 2切れ
- しいたけ 3枚(小さめなら4枚)
- しめじ 100g
- えのきだけ 100g
- バター(塗り用) 適量
- ピザ用チーズ 適量
- いりごま白 適量
- ディル(またはパセリ) 適量
ホワイトソース用
- バターA 5g
- 塩 小さじ1/4
- こしょう 少々
- バターB 20g
- 小麦粉 20g
- 牛乳 1カップ
- C すりごま白 大さじ1
- C ねりごま白 大さじ2
- C 塩 小さじ1/2
- C こしょう 少々
【作り方】
- 鮭は4等分に切ります。
- きのこは、すべて石づきを取り除きます。しいたけは4等分に、しめじは小房に分け、えのきだけは半分の長さに切ります。
- フライパンにバターAを熱し、鮭を焼いて塩とこしょうをふったら、一度取り出します。
- 3のフライパンにバターBを入れて弱火で溶かし、2を炒めます。全体にバターがなじんだら、小麦粉をふって焦がさないように弱火で2分ほど炒めます。
- 4に、牛乳を少しずつ加え、よく混ぜてなじませ、なめらかになったらCを加え混ぜます。
- 耐熱皿にバターを薄く塗り、3と5を入れてピザ用チーズといりごま白をふります。
- 220℃に予熱したオーブンで、焼色がつくまで10分ほど焼いたら、最後にディルをトッピングします。
【ポイント】
- 爽やかな香りのディルは、ごまの香りと絶妙に調和します。クリーム系やバターを使用した料理と相性が良く、おしゃれな風味を楽しめます。
- いりごま・すりごま・ねりごまと、加工方法が異なる3種類を使うことで、しっかりとごまの風味を感じられます。
1.皮むきタイプいりゴマ
2.皮むきタイプすりゴマ
3.純おいしいねりごま白パウチ
このレシピで使用した、秋の味覚である鮭ときのこには、それぞれ興味深い特徴と豊富な栄養価があります。鮭の驚くべき生態や、きのこそれぞれの個性豊かな特徴について知ることで、食材への理解が深まり、料理の楽しみが広がります。
次に、これらの食材について詳しく掘り下げていきますので、興味のある方はぜひご覧ください。これらの食材について、もっと詳しく知ることで、料理の楽しみがさらに広がるかもしれません。
鮭を知る:栄養と美味しさの理由
鮭とサーモンの違い
鮭は主に刺身などで食べる生食用と、ムニエルや焼き鮭などで食する加熱用に分類され、流通しています。
元々日本では、鮭を生で食べる習慣はほとんどありませんでした。1980年代まで国内で流通しているものは国産白鮭や北米から輸入される紅鮭がほとんどで、これらは主に加熱料理向けでした。
1990年代以降、ノルウェーやチリの海面養殖による生食用のアトランティックサーモンやトラウトサーモンが国内に流通するようになり、サーモンという言葉と生食が徐々に定着してきたと考えられます。
日本でサーモンと呼ばれるのは、このアトランティックサーモンやトラウトサーモンであり、紅鮭や白鮭は「鮭」と呼ばれることが多く、違う種類になります。
白鮭は、9月から11月の産卵期に川に戻ってくるため、この時期に水揚げされた白鮭が「秋鮭」と言われます。秋鮭は、身が淡いオレンジ色をしており、脂肪が控えめでさっぱりとした味わいが特徴です。この時期の白鮭は栄養を蓄えており、濃厚な味わいを楽しむことができます。
日本の鮭の生態と回遊
日本の鮭は川で生まれ、海で成長し、再び生まれた川に戻り、卵を産みます。
3月から5月の間に放流される稚魚は、初夏になると北海道を離れ、オホーツク海の南部へ移動し、8月から11月の間そこで過ごします。その後、12月から5月にかけては北太平洋の西部に移動し、冬から春を過ごします。そして、6月にはベーリング海へ向かいます。
ベーリング海で過ごした後は、11月頃に南下してアラスカ湾へ移動し、5月までそこで過ごします。6月には再びベーリング海に戻り、11月にはアラスカ湾へと、南北移動を繰り返して成長していきます。
鮭が大人になる年齢は3〜5歳。成魚になると、8月から12月にかけて、鮭の群れが日本の川に戻ってきます。
ただ、放流した鮭の稚魚のうち、成魚になって戻ってくるのは、わずか3~5%です。多くの稚魚が厳しい海の環境や捕食者にさらされ、生存できないということです。
このような厳しい自然環境の中で、鮭は長い旅を経て再び母川に戻り、新たな命を育むために産卵するのです。
出典
農林水産省:サケは、春夏秋冬それぞれどこにいますか(https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0006/23.html)
水産庁:水産物消費の状況(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h30_h/trend/1/t1_3_4_2.html)を加工して作成
鮭の栄養
鮭は100gあたり約124kcalと、比較的低カロリーながら栄養価の高い食材です。良質なたんぱく質と脂質を含み、さまざまなビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。
たんぱく質
鮭は良質なたんぱく質源です。100gあたり約22.3gのたんぱく質を含んでおり、これは成人の1日の推奨摂取量の約3分の1に相当します。鮭のたんぱく質は必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、体内で効率的に利用されます。このため、良質なエネルギー源となっています。
脂質
鮭には、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。不飽和脂肪酸は子供の脳の発育に重要な役割を果たすことや、糖尿病の予防、肥満の抑制効果があることが明らかにされています。
ビタミン
鮭には、ビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンB1:炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
ビタミンB2:皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
ビタミンB12:赤血球の形成を助ける。
ビタミンD:腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける。
ビタミンE:抗酸化作用により体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける。
その他、リンやカリウムなどのミネラルも多く含まれ、鮭は健康的な食生活を支える重要な食材の一つとなっています。
出典
日本食品標準成分表(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10134_6)
厚生労働省:栄養機能食品の表示に関する基準https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/1d-3.html)を加工して作成
きのこを知る:種類別に見る特徴と栄養素
きのこは私たちの食卓に欠かせない身近な食材ですが、その生態や役割についてはあまり知られていません。きのこは自然界で重要な役割を果たしており、樹木との共生や有機物の分解を通じて生態系のバランスを保っています。
きのこの正体は「菌糸」という微生物の真菌類が作る糸状の構造体です。私たちが目にするきのこは、この菌糸が集まって形成された塊で、植物の果実や花に相当する器官です。例えば、シイタケの柄を縦に裂いて顕微鏡で観察すると、長い菌糸が密集している様子を見ることができます。
きのこは、その種類の多様性と栄養価の高さから、今後も日本の食文化において重要な食材となっています。
きのこの種類は実に豊富で、それぞれが独特の風味や食感を持っています。馴染み深いきのこですが、それぞれの特徴をあらためて確認してみましょう。
えのきたけ:シャキシャキ食感の万能選手
えのきたけは、アジアからヨーロッパ、アフリカまで広く分布するきのこです。明治期に原木栽培が始まり、昭和になると菌床栽培が一般的になりました。野生のえのきたけは茶色でカサが大きいのが特徴です。
栄養面では、リラックス効果があるとされるギャバが豊富に含まれています。調理の際は、サッと炒めるとシャキシャキとした食感が楽しめじっくり煮るととろみが出るので、料理の目的に応じて調理法を選べます。
ぶなしめじ:癖のない味わいで料理の幅が広い
ぶなしめじは、ブナやトチノキなどの広葉樹の倒木に自生しています。人工栽培の開始により、年間を通して食べられるようになりました。癖のない味わいが特徴で、白色に品種改良されたものも販売されています。
食物繊維、カリウム、ビタミンDなどの栄養素が豊富で、うまみ成分のグルタミン酸も含まれています。汁物や煮物に使うと、おいしい出汁がとれるのでおすすめです。
しいたけ:日本の食文化に深く根付いたきのこ
しいたけは、鎌倉時代頃から日本で食べられてきた歴史あるきのこです。江戸時代には現在の原木栽培の原型となる方法が開発され、乾しいたけが広く普及しました。
栄養面では、食物繊維、カリウム、ビタミンD、うま味成分のグアニル酸が含まれています。生しいたけはソテーや炒め物で食感を楽しみ、乾しいたけは煮物や汁物でうま味と香りを堪能するのがおすすめです。
まいたけ:独特の食感と肉を柔らかくする効果
まいたけは、秋にミズナラやコナラなどの広葉樹の根元に発生します。現在市場に出回っているものはほとんどが人工栽培によるもので、天然物は希少価値が高いです。
シャキシャキとした独特の歯応えが特徴で、加熱しても食感が損なわれにくいです。プロアテーゼというたんぱく質分解酵素を多く含むため、肉と一緒に調理すると肉が柔らかくなります。
エリンギ:食感と食べやすさが魅力
エリンギは、ヨーロッパ原産のきのこで、1990年代から日本で人工栽培が行われるようになりました。味や香りにクセがなく食べやすいのが特徴です。
さつまいもよりも食物繊維が豊富に含まれています。調理する際は、繊維に沿って縦に裂くと味が染み込みやすく、繊維に対して直角に輪切りにするとホタテの貝柱のような食感が楽しめます。
なめこ:独特の粘りと栄養価の高さが特徴
なめこは、ブナやナラ、サクラなどの広葉樹に生える日本の伝統的なきのこです。野生のなめこの旬は9月から11月です。
食物繊維やカリウムを含み、栄養価が高いのが特徴です。味噌汁の具材や、大根おろしと和えたなめこおろしとして食べるのが一般的です。最近では、カサの大きななめこも販売されており、天ぷらなどの調理法も楽しめます。
ひらたけ:様々な料理に活用できるきのこ
ひらたけは、世界中の温帯の山林に自生しており、古くから食用とされてきました。カサの部分が平たく、重なり合いながら大きな塊となって成長するのが特徴です。
食物繊維やカリウム、葉酸などを多く含みます。香りが良く歯応えがあり、オリーブオイルとの相性がいいので、和食だけでなく洋食にも合います。
きくらげ:独特の食感で中華料理で人気
きくらげは、アジアを中心に広く分布するきのこです。かつては中国から乾燥したものを輸入していましたが、最近は国内生産量が増加し、生のものも流通するようになりました。
食物繊維やビタミンDが豊富で、生はプリプリ、乾燥はコリコリとした食感が特徴です。中華料理やとんこつラーメンによく使用されています。生も乾燥も、加熱してから食べます。
マッシュルーム:世界中で愛されるうま味成分豊富なきのこ
マッシュルーム(ツクリタケ)は、ヨーロッパ原産のきのこで、世界中で食べられています。日本では明治時代に人工栽培が始まりました。
うま味成分のグアニル酸とグルタミン酸が含まれており、単体でも美味しく食べられます。丸ごとアヒージョやホイル焼きにしたり、新鮮なものは薄くスライスしてサラダに使うのもおすすめです。
まつたけ:日本の秋を代表する高級きのこ
まつたけは、日本や中国などアジア地域に広く分布する高級きのこです。人工栽培が難しく、野生のまつたけも減少傾向にあるため、貴重な食材となっています。
独特の香りが特徴で、食物繊維、カリウム、葉酸などの栄養素を含んでいます。炭火焼、土瓶蒸し、吸い物、炊き込みご飯など、香りを楽しむ調理法が一般的です。
このように、きのこはその豊富な旨味成分と栄養価から、美味しさだけでなく健康にも良い食材として広く愛されています。
出典 農林水産省:ごちそうきのこ(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/index.html)を加工して作成
鮭ときのこのごまグラタン 秋の味覚を楽しむ栄養満点レシピ:まとめ
何年も広い海を旅してきた秋鮭は、栄養がギッシリとつまったとても貴重な魚です。また、きのこは樹木と共生しながら栄養を循環させ、倒木や落葉を分解して土に還す重要な役割を果たしています。普段何気なく食べている食材が、豊かな自然の恵みであることを知ると、より味わい深く感じられるでしょう。
この記事で紹介した鮭ときのこのごまグラタンは、栄養バランスが良く、フライパン一つで調理、あとはオーブンに任せるだけという簡単に作れる一品です。鮭ときのこにごまを加え香りとコクをプラスすることで、栄養満点の美味しい料理が完成します。深まる秋にぴったりの鮭ときのこのごまグラタンを、ぜひ味わってみてください。
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