ごまの育て方|ごまを自分で栽培する方法と注意すべきポイント
ごまはもともとアフリカのサバンナ地帯に自生していた植物で、紀元前4000年以前からアフリカの大河流域で、紀元前3000年頃には中国でも栽培されていたと考えられています。日本には紀元前1200年頃には入ってきていたようです。
現在日本国内で消費されるごまの99.9%以上は輸入品で、国産ごまの割合は0.1%ほどしかありません。日本での2007年当時の栽培面積は215.9ha、収穫量は95.88tで、その大部分が鹿児島県の喜界島で生産されています。
「ごまってどうやって育つの?」
「自分で栽培することもできるの?」
そんな疑問を持つ人に向けて、ごまの栽培や種まきの時期、育て方について紹介します。
ごま栽培の概要
ごまはゴマ属ゴマ科の一年草の植物です。種をまき、芽が出て花が咲いた後、花の下に並ぶさやの中に種ができます。その種が私たちのよく知るごまです。
ごまは種皮の色によって大きく3種類(白ごま、黒ごま、金ごま)に分けられますが、栄養成分に大きな違いはありません。また、2000年頃品種改良によって誕生した「ごまぞう」という褐色のごまもあります。どの種類のごまを栽培する場合も基本的に育て方は同じです。
- 種まき時期:5月中旬~6月中旬
- 収穫時期:9月~10月
- 発芽適温:20~25℃
- 生育適温:25~40℃
- 連作障害:あり(2~3年の期間を空ける)
- 好適土壌:pH6.0~6.5(畑でもプランターでも栽培可能)
- 品種:黒ごま、白ごま、金ごま、ごまぞうなど
栽培時期(種まきの時期)
一般的に、ごまの種まきは5月中旬〜6月中旬に行います。東北地方などの寒冷地は、6月に入ってから種まきをするのが望ましいです。寒さに弱いので平均気温が20℃以上になってから種をまくようにしましょう。地温が低い場合はマルチ栽培(黒色マルチなどの農業用資材で畝の表面を覆う育て方)が効果的です。
熱帯植物であるごまは、日当たりが良く、高温で水はけのよい土を好みます。畑(地植え)でも鉢やプランターでも栽培が可能です。好適土壌はpH6.0〜6.5なので、畑の土壌が酸性であれば苦土石灰をまいて中和し、耕して畝を立てておきます。鉢・プランターの場合は、深さ30cmほどのものを用意し、市販の野菜用培養土を入れて使いましょう。
ごまの栽培方法(水やり・追肥)
ごまは適度な土壌水分があれば、種をまいてから1~2日で発芽し、3~5日で芽が出ます。発芽するまでは土が乾かないように水やりをしてください。
芽が出たら本葉が重ならないように間引き、本葉が2枚の頃までに2回目の間引き、本葉が5~6枚の頃に3回目の間引きをし、1穴あたり1本になるようにします。株が混みすぎると、倒れる原因となってしまうためです。
水やりに関して、畑の場合は自然の降雨で足ります。しかし、表面が乾燥しすぎているときは午前中に水やりをすると良いでしょう。プランターの場合は1日1回、朝にたっぷり水を与えます。
栽培期間中は数日おきに雑草の除去を行いましょう。雑草に養分が取られてごまが生育不良になるのを防ぐためです。生育が良くなければ追肥をしますが、順調に育っているようであれば特に肥料は必要ありません。
収穫の時期と方法
ごまの収穫時期は9月~10月です。さやが黄色または褐色になり、下のほうのさやが弾けはじめたら、種がこぼれないように株元で刈り取ります。収穫が遅れて完全に枯れると種が落ちてしまうので、タイミングを逃さないように注意してください。
収穫した株は葉や花を取り除いてから数本ずつ束ね、シートや新聞紙の上に立てて1~2週間ほど乾燥させます。カラカラに乾いたら、束のまま叩くだけで簡単に種が落ちます。集めた種はふるいにかけてゴミを取り除き、十分に乾燥させてから密閉容器で保存しましょう。
収穫した種、つまりごまはそのままでは食べられません。弱火にかけたフライパンや鍋に洗ったごまを入れ、焦げないよう火から離してゆっくりと煎ります。弾けだしたら、いりごまの完成です。
注意すべきこと(連作障害・害虫)
ごまを連作すると立枯病、青枯病、モザイク病などの病害が発生しやすいので、同じ場所で栽培する場合は2~3年の期間を空けるのが望ましいです。プランター栽培では毎回新しい土を使いましょう。
ごまに発生しやすい害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ、スズメガなどです。幼虫を見つけたら、小さいうちに手で除去して食害を最小限に防ぎます。被害が広がってしまった場合は株を抜き取って処分してください。
おわりに
ごまの基本的な育て方を紹介しましたが、作型は品種によって多少異なるため、栽培する前にタネ袋に記載されている内容をよく確認しましょう。
一般的に、ごまの栽培は比較的容易であり、初心者でも栽培することができます。ただし、連作障害や病害虫にかかりやすく定期的な防除や病害虫管理が必要です。
手のひらいっぱいのごまを収穫するためには非常に手間がかかるため、家庭菜園が苦手な方やこまめな手入れが難しい場合は市販のごまを買う方が手軽です。
真誠には、いりごま、すりごま、ねりごま、その他ごま加工品などが種類豊富にそろっています。詳しくはごまの商品情報をご覧ください。
参考:
『ごまのすべてがわかる本((趣味の教科書) 』,株式会社エイ出版社,2008.
『ゴマ ―その科学と機能性ー』,丸善プラネット株式会社,日本ゴマ科学会 並木満夫 編, 1998
みんなの農業広場 ゴマ栽培
農林水産省 特産農作物の生産実績調査(2007年)
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有機いりごま白
有機JAS認証のごまを丁寧に煎り、香ばしく深みのあるいりごまに仕上げました。
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