いりごまとすりごまの違いは?それぞれの特徴と活用方法
ごまは、種子の外皮の色によって、大きく分けて「白ごま」「黒ごま」「金ごま」の3種類に分けられます。私たちが日ごろよく見かける「いりごま」や「すりごま」は、それぞれのごまに加工をして、製品化したものです。
同じ原料とはいえ、見た目も食感も異なるので、
「いりごまとすりごまは栄養が違うの?」
「いりごまとすりごまの使い分け方は?」
「健康のためにはどちらを食べるのがいいの?」
と疑問を持つかもしれません。結論からいうと、ごまそのものの栄養はいりごまもすりごまも変わらないのですが、栄養の消化吸収の点で優れているのはすりごまです。
とはいえ、プチッと弾ける歯触りや形状・見た目を生かした料理など、いりごまならではの魅力もあります。どちらか一方に限らず、料理によって使い分けると良いでしょう。
この記事では、いりごまとすりごまの違い、それぞれの活用方法などを紹介します。
いりごまとすりごまの違い|消化吸収が良いのはすりごま
収穫したごまから茎や砂などの異物を取り除き、水洗いして乾燥させた「洗いごま」を焙煎したものが「いりごま」です。生の状態の洗いごまは平らな形をしていますが、焙煎することでごまの中身が膨らんで丸くなり、特有のプチプチした歯触りが生まれます。
弾けるような食感が楽しめるいりごまは、料理のトッピングにぴったりです。ただし、ごまの皮はかたくて丈夫なので、胃の中でも分解されません。よく噛んで食べないと、せっかくの栄養成分が体に吸収されなくなってしまいます。
そのいりごまをすり鉢などで粒が砕けるまですったものが「すりごま」です。することによって香り・風味が増すほか、ごまのかたい皮がすりつぶされるので、栄養素の消化吸収性が高くなります。ただし、表面積が増えるので酸化しやすく、長期保存には向きません。
市販されているすりごまを買うのが手軽ですが、使い切れないなら、いりごまを購入し毎回使う分だけすり鉢とすりこ木、またはごますり器ですると良いでしょう。すりたてのごまは香りが立っておいしいですし、すり加減も好みで調節できます。
<いりごまとすりごまの違い>
いりごま |
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すりごま |
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いりごまの皮をむいて栄養成分を吸収しやすくした「皮むきタイプのいりごま」もあります。香りや風味は皮付きのものより弱くなるので、ごまらしさを楽しむには向きませんが、ナッツのような風味でクセがなく、いろいろな料理やお菓子作りに使えるのが特徴です。
いりごまの活用方法|特有のプチプチした食感と香ばしさが楽しめる
独特の香りとプチプチした食感が魅力のいりごま。ごまを煎ると食感が良くなり風味が高まりますが、それだけでなく、煎ることでごまの抗酸化もアップするのがポイントです。
市販のいりごまはすでに煎ってあるものですが、もし湿気ってしまったら、食べる直前に軽く煎ると香りと歯触りが復活します。
家庭で煎るときは、ほうろくやごまいりなどの専用器具、もしくは底の厚いフライパンを使い、弱めの中火でゆすりながら煎ると良いです。ごまは油分が多く焦げやすいので、煎り上がったらすぐに別の器に移すようにしてください。
いりごまは、特有のプチプチした食感と香ばしさを楽しめるよう、ご飯や汁物、佃煮、きんぴら、ナムルなどにふりかけたり、おむすびやちらしずし、卵焼き、白和えなどに混ぜ込んだり、揚げ物の衣として使ったりできます。
真誠には、いりごまに香ばしい焦がし醤油味をつけた「しょうゆ味ゴマ」、甘辛おかか味をつけた「無添加ふりかける胡麻おかか味」や、磯の香りのあおさ味をつけた「無添加ふりかける胡麻あおさ味」などの味ごまもあるので、ふりかけ感覚で使うのも良いでしょう。
いりごまは和食や中華料理、韓国料理に使うイメージが強いですが、グラタンやコンソメスープなどの洋食、パンケーキやクッキーなどのお菓子作りにもぴったりです。
すりごまの活用方法|香りがよく、栄養素を消化吸収しやすい
香りがよく、粉状でいろいろな料理やお菓子に使いやすいすりごま。いりごまに比べて表面積が大きくなるので、酸化しやすく風味が落ちやすいのがネックですが、消化しやすく栄養吸収性が高いのがポイントです。
開封後は2〜3週間以内に使い切るのが望ましいですが、いりごまを買って毎回使う分だけをする方法もあります。細かくするほど香りや風味はより引き立ちますが、ごま特有のプチプチした歯触りはなくなるので、用途と好みに応じてすり加減を決めると良いでしょう。
すりごまは、野菜のごまあえやコールスローにしたり、麺類や鍋料理にふりかけたり、クリームソースのパスタやミルクたっぷりのポタージュに混ぜたり、ドレッシングやチヂミのタレに加えたり、幅広い料理に活用できます。
市販のアイスクリームをしばらく常温において軟らかくし、すりごまを加えてへらでまぜてから再び凍らせると、リッチな味わいのセサミアイスになります。また、スムージーに混ぜてもおいしいです。
真誠には、ごまを粗めにすりつぶし、食感を楽しめるよう粒をほどよく残した「うまかあじすりごま(白・黒)」や、手ずり製法の「職人の技すりごま(白・黒)」もあるので、好みに応じて選べます。
参考文献
『ごまのすべてがわかる本((趣味の教科書) 』,株式会社エイ出版社,2008.
『医師がすすめる抗酸化ごま生活』 伊藤明子著, 株式会社アスコム, 2020.
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